議員日誌101    落札率99%は問題か

 学校関係の公共工事の入札について、M議員から一般質問で、落札率99%のものや98%以上の入札が数件見られるが、発注者として市の所見を求める質問がありました。担当部長は、電子入札の結果であるので、落札率については申し上げることはない、と言うものでした。落札価格について行政側は何もコメントしないと言うことです。   

 入札制度は、業者の選定に透明性、公正性を持たせ、適正な市場原理により価格競争が働き、工事費用が適正な価格に落ち着くことを目的とします。しかし、多くの市町村では地元企業を優先的に取り扱う傾向があります。指名競争では当然地元企業を指名しますが、一般競争においても地元条件が付されます。この条件は市民の支持を得ているようで、これに対して異論を挟む議員や会派はありません。ということは、競争は「限られた数の中」で行われることを市民が是認している訳で、その結果「適正な市場原理による価格競争」にブレーキがかかることは必定です。

 以上の理論から地元条件の付いた入札においては価格競争を期待する方が誤りで、落札率は100%に近づき悪印象となるだけであまり意味がありません。請負率で表現する方式をとるべきです。 

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  設計金額 ― 公共工事等の見積もりを、公の基準価格に基づいて積算した                           もの。大手設計業者等専門業者が委託されて積算しています。

  予定価格 ― 入札時に設定される上限価格。設計価格から数%値切りした価格。筑西市の場合2~5%で行われています。これを超えた価格の入札は無効となります。以前は非公表でしたが弊害が指摘され、現在では原則公開されています。

  落札率  ― 落札価格÷予定価格・・・これが99%であることを問題にされている。

  請負率  ― 落札価格÷設計価格・・・値切りが5%であれば95%以下に抑えられる。

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