議員日誌202   相続問題―①    H25  7.17

 以前にも書きましたが、私の事務所では相続についての相談、手続依頼を良く受けます。そして、相続手続きが簡単にはまとまらないケースが増えています。権利意識の高まりなのか、法テラスの成果なのかは良く分かりません。

 珍しいケースがありました。結婚3年目の40代の夫婦、二人には子供がありません。住宅ローンで建てた御主人名義の住居に二人で住んでいましたが、不運にも御主人が今年病気で亡くなりました。この場合の法定相続は、妻(相続分3分の2)と夫の両親(3分の1)になります。妻からの相談だったので両親の心情を考えるとあまり相続手続きを急がないよう申し上げましたが、生活費が夫名義の口座にあるということで、これに関しては銀行手続として早々に済ましておかなければ実生活に支障が生じますので、両親との話し合いを勧めました。ところが夫の両親は弁護士事務所に依頼し相続調停手続きを申し立てました。

 私としては少し残念です。アドバイスが裏目に出た感じです。一般的には相続手続きを急ぐ必要がない法定相続人や遺留分を犯されていない者は、自ら裁判所を利用しようとは考えません。法律事務所からみれば当然の経路かもしれませんが、相続は親族間の話し合いで合意することが最善です。できれば合意に至るアドバイスを優先し、裁判所利用は最後の手段としてほしいものです。

 

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